文系の極み

現代文の要約とかする人

【感想文400字】『こころ』【感想・考察・小論文】

学校の課題で作成したものです。

参考になれば幸いです。

クオリティはあしからず。

 

【感想文】(約400字)

人は良心と邪心の均衡を保つ。だが時として均衡は崩れ、人は道に迷い、何かを見失う。均衡は人との交わりにある。交わりのない自我は邪心に呑まれる。交わることで互いは相手を認識し初めて良心を得ることができるのだ。

すると、邪心の最悪はぶつかり合いの対立ではない。対立の意識は衝突し、人との交わりがそこにはあるからだ。

彼らはどうだろうか。Kはお嬢さんへ、私はKへと意識が向いている。彼らは利害関係であっても、決して対峙はしていないのだ。そして二人の意識は交わらない。彼らは盲目が故に道に迷い、互いを見失っているのだ。

道に迷ったのなら誰かに見つけてもらえばよい。私はKを、Kは私を助けられる存在のはずだ。だが不可能だ。彼らは二人とも迷っているのだ。すれ違い、相手に気付づかない。これこそが最悪なのだ。友は敵へ、希望は絶望へ、生は死へと豹変する。

人との交わりに、こころは生まれ、生きる。彼らは交わりを失い、こころを失い、友を失ったのだ。(410字)

 

 

参考:三省堂『精選現代文B』/ こころ 夏目漱石